この4連戦で日本サッカー界にとって良かった2つの傾向

この4連戦、代表チームの戦績はかなり不満の残るものでしたが、一方で日本サッカー全体を考えたときに、良い傾向だなと思える点が2点ありました。それは、観客の入りにバラツキがあったことと、ブーイングが出たことです。なぜ、この2点が良い傾向と言えるのでしょうか?

なぜ、観客の入りにバラツキがあったことが良いことか

これまで代表の試合といえば、スタジアムはほぼ満席という状態でした。たとえ相手が、2軍メンバーで試合前日に来日して、次の日秋葉原で遊んで帰るというようなチームでも、たとえ試合が間を埋めるために組まれた目的の見えない試合であってもです。これは、ある意味で異常と言えるものでした。
しかし、今回の4連戦でしっかりとお客さんが入ったのは韓国戦のみ。それ以外の3試合は、かなりまばらな観客の入りでした。これは、お金を払うならそれなりの試合を見たい、それなりの試合にはそれなりの対戦相手が必要である、ということが意識として多くの人に上がってきたということの現れなのではないでしょうか?この傾向が今後も続けば、サッカー協会もそれなりの相手を呼んでくる必要性を認識し(本来は強化のために元々必要なはずなんですけどね...)、よりよいマッチメークをするようになるかもしれません。

なぜ、ブーイングが出たことが良いことか

これも上の話とほぼ内容は同じになるのですが、これまで試合内容が不甲斐ないモノであっても、試合後のスタジアムの雰囲気はだいたい同じという状況でした。代表戦のチケットは、普段のJリーグのチケットよりも割高です。せっかく高いお金を払って見にいったのにつまらない試合を見せられたらたまったもんじゃない、というのは本来当然の反応だろうと思うのですが、これまではそうではありませんでした。しかし、今回内容も結果も散々なものであったため、ブーイングが起こるという事態になりました。
僕は消極的岡田監督続投派です(参考:岡田監督の解任論について)が、さすがにベネズエラ戦の試合後のインタビューで岡田監督が「この試合は、キャンプ中に行った大学生との練習試合と位置づけ的には同じである」という趣旨の発言をしたことには、開いた口がふさがりませんでした。あの試合は、まがいなりにも国際Aマッチです。お客さんは、数千円を払って見に来ています。それを大学生との練習試合と同じだなどと言われたら、たまったもんじゃりません。それなら、あんなでかいスタジアムでやらずに適当な練習グラウンドでやってればいいのです。
もしこのまま、不甲斐ない試合には容赦なくブーイングを浴びせる、もしくは試合途中で帰るという風潮が広まれば、このような発言もこのような試合に臨む姿勢もあらたまるのではないでしょうか。それはすなわち、しっかりとした準備をしてどんな試合でも本気で戦うということにつながります。そうすれば、多少対戦相手が適当なチームでも試合には張りができ、結果的に良いテストになります。

このように、この2つの傾向が今後も続くとすれば、それは日本サッカー界にとってプラスにつながるものだと思いますので、どんどんやって欲しいと思います