強いチームほど、ボールが浮かない。

強いチームほど、ボールが浮かない。
スカパーのCLハイライトで、柱谷幸一さんが全チーム敗退したイタリアと全チーム進んだイングランドの違いとして、「グラウンダーを多用するイングランドと、浮き球を使うイタリア」という説明をしていたのを見て、以前からこう考えてたのを思い出した。まあなんの根拠もないけど。

バルサマンUチェルシーリバプール

バルサなんてボールを浮かさない典型みたいなチームで、グラウンダーのショートパスをつないでゴール前まで行って、あとはメッシとかアンリが崩すってのが、大体の攻撃パターン。マンUもつないでルーニーとC.ロナウドベルバトフが絡むみたいな。チェルシーは監督がフェリペだったとき、ボジングワとかデコのアーリークロスが多かったけど、ヒディングになってからは減った感じがする。リバプールも、サイドチェンジとかを除けば、縦に浮かせたボールを出すってあんまりない。

サイドからのクロス

プレミアの試合を見ていると分かるけど、FWのアタマめがけてクロスを上げるなんてシーンあんまりない。むしろ、高速のグラウンダーのクロスとかの方が多くて、中のFWは体のどっかに当ててねじ込むみたいなイメージ。

なぜ、ボールを浮かさないのか

簡単に言っちゃえば、攻撃側にとって都合が良くて、守備側にとって都合が悪いから。
現代のサッカーは、攻撃側に与えられてる時間とスペースが本当に少ないから、トラップ1つで局面は大きく変わる。トラップしてボールを置く位置を30cmミスするだけで、DFに詰められて余裕を持ってプレーできなくなる。浮き球の場合、グラウンダーよりトラップの難易度は確実に増す。ただ上手くボールを止めるだけでなく、次のプレーに移りやすいようにトラップをするにはグラウンダーの方が楽なんだね。
そんでもって、サイドからのクロスのところで説明したように低くて速いクロスを入れられると、DFは下手するとオウンゴールになるし、速いボールを見ながら相手FWのマークもするというのは、かなり大変。ということで、ディフェンス側にとっては非常に都合が悪いということ。

Jリーグとか日本代表とか

Jリーグとか日本代表とかの試合を見ていると、パス、クロス、シュート、全てにおいてボールを浮かすシーンが多い。シュートで言えば、ヨーロッパを見ていると体勢が悪くなったときにもボールは浮かさないけど、Jリーグの場合体勢が良くてもゴールの上に飛んでく。これはきっと、理想のシュート像がそもそも違うんじゃないかとさえ思う。Jリーグの理想のシュートって、上角に突き刺さるってイメージなんじゃないかと思うけど、ヨーロッパの場合グラウンダーで角を狙うというイメージなんじゃないだろうか。
ということで、Jリーグ第3節はボールが低いところにあるかという点に注目してみてみようと思う。