メディアを選択するということ

僕は少し前にテレビを捨てたんですけど、ここ最近テレビを捨てて良かったなぁと思うことがよくあります。

らばQ:テレビを見るとボケが進行し、テレビゲームをするとボケ防止になることが判明
米国神経学会(American Academy of Neurology Meeting)で発表された内容によると、50歳から65歳のときにどれくらい活動的であったかなどを調べたそうです。

この時期に読書、コンピューターゲーム、工作、物作りといった趣味にいそしんでいた人は、記憶障害を起こすリスクが40%も減っているそうです。

これが何を意味しているかというと、要はテレビを見るという行動は活動的じゃないということですよね。

プル型メディアとプッシュ型メディア

突然ですが、メディアは大きくプル型とプッシュ型に分類されます。
簡単に説明すると、プル型メディアとは、接する側が能動的に情報を取りに行くメディア。プッシュ型メディアは、接する側が受動的に情報を受け取るメディア。インターネットはプル型で、テレビはプッシュ型だと言われます。(場合によっては、インターネットメディアであってもプッシュに情報を伝えることもありますが、それは置いといて。)

テレビと接しても、頭は動かない

テレビというメディアに私たちが接触するとき、受動的にとはいえ受け取るという行動を取っています。しかし、さきほどテレビを見るという行動は活動的じゃないと言ったように、自らが必要と判断した情報を取りに行くのに比べて、プッシュ型メディアであるテレビと接するときは頭が動いてないということなんですよ。

情報と接する態度による格差

頭の働き自体もそうですが、それと同じように自ら情報を取りに行くことがないことの問題点は、超「超」整理法の中ではっきりと述べられています。

p.205〜206
プルできる人とプッシュを受けることしかできない人の間には、大きな情報力格差が生じている。
(中略)
プッシュを受けるだけの人は、二十年前と、いや五十年前とさえ同じ段階にとどまっている。だから、格差はますます拡大する。
テレビの前に座ったままの人は、一年たっても何も変わらない。それに対して、情報をプルし続けている人は、一日前とさえ大きく違っている。一年たてば、まるで別人だ。
プッシュを受けるだけで満足しているのは、問題意識がないからだ。一日中テレビの前に座っていられるのは、知りたいことがないからである。もしあれば、そんな無駄なことに時間を浪費するわけにはゆかない。

超「超」整理法:野口 悠紀雄

とまあ、ここまで言われちゃうとそわそわしますが、確かにインターネットメディアに接する機会が増えるに従って、自分を変えるような情報に出会う機会は確実に増えました。

プル型メディアとプッシュ型メディア。メリット・デメリット。

プル型メディアとプッシュ型メディアの、どちらにもメリットとデメリットはあります。これまで、プル型メディアのメリットとプッシュ型メディアのデメリットばかり書き連ねてきたので、その逆を述べてみると、テレビや新聞などのプッシュ型メディアというのは、接触者の趣味趣向をあまり考慮しないため、雑多な情報を流すわけです。その分、何が欲しいというわけではなく世の中のトレンドをざっくりとつかみたい、とかの場合には適している。
プル型メディアの場合はその逆で、確かに自分の欲しい情報を手に入れることはできるにしても、自分の範囲内にあるものしか手に入れられないわけで、思考の広がりを得ることはできません。
このように一概に良し悪しをつけられるわけではないにしても、これだけ世の中に情報量が増えると、自らカスタマイズして情報の取捨選択をする必要があります。誰が言ったかは忘れましたが、今や情報は集めるものではなく捨てるものだということだと思います。

プル型メディアを選択した理由

プッシュ型にもプル型にもどちらにもメリット・デメリットがあると言いましたが、結局僕がプル型メディアを選択した理由は、自分はどういう人間なのか、自分は何を志向して、何を求めるのか考えるようになるということです。プッシュ型メディアの場合、何を求めるか求めないかにかかわらず情報に接するので、あんまりなんにも考えないで済んでしまいます。それはまずい。もっと、いろんなものから自分の姿が現れてくるようにしたい。
最終的には、どんなメディアであっても自ら選択するという行為が必要なんだと思います。それが、リテラシーとなって自らの立ち位置みたいなものを明確にするんだと思います。