砂漠

久しぶりに小説を読みたいなーと思って、伊坂 幸太郎の砂漠を読みました。元々ハードカバーの方は持ってたのですが、ソフトカバーになって出てたのを思い出して買っちゃいましたよ。まあ、カバーのデザインとしては、ハードの方が良い気がしますけど・・・。
この砂漠は、伊坂作品の中でもとりわけ好きな方で、特にキャラクター豊かな伊坂作品の登場人物の中でもこの本に出てくる西嶋が好きです。他にはチルドレンの陣内が好きなんですけど、そういえば砂漠の中にチルドレンの陣内かと思わせる人物が出てきますね。
読んでない人には通じなくて申し訳ないんですが(気になる人は読んでください)、「抗生物質をあげちゃえばいいんですよ、ばんばん。」とか「助けりゃいいんですよ、そんなの。」っていうセリフが印象的です。
人間って、生活が豊かになるほど将来のことを考えるようになって、今を生きれなくなっちゃうとこがあるんですよね。まだ大学3年生が終わってもいないのに、2年後のことを考えて就職活動をしなきゃいけなかったりとか、就職したと思ったらいつ来るかわからない「いざ」というときのために、美味しいもの食べたりするのを我慢して貯金しちゃったりとか。常に未来のために今があって、その未来の瞬間もそのまた先の未来のために生きてたりするから、結局いつまでたっても今を生きられなくて、余命が告げられた瞬間にやっと今を生きれるみたいな、やるせない感じになっちゃう。そこに対する問題意識みたいなのを、西嶋が投げかけてくれる感じがするんですよね。
それにしても、伊坂幸太郎以外で早く面白い人見つけないとなー
ハードカバー版
砂漠
ソフトカバー版
砂漠 (Jノベル・コレクション)