4-2-3-1

初めてサッカーの戦術を詳しく解説した本を読んでみました。
4‐2‐3‐1―サッカーを戦術から理解する (光文社新書)は、現代サッカーにおける戦術の基本となるフォーメーションを解説した本です。タイトルにもある通り、4-2-3-1をフォーメーションの中心として紹介されていて、サイドを使った攻撃の重要性が何度も示されています。


オシムさん以降、日本サッカーの日本化という言葉をよく聞くようになりましたが、それまでの日本は戦術の統一性もなく、日本と言えばこういうサッカーというのがイメージしにくいものでした。そういう意味で、ヨーロッパのやり方を学びながら日本独自のスタイルを目指すというのは間違った方向ではないと思っています。


しかし、Jリーグでは、本書でも散々批判の対象となっている3-4-1-2をメインのフォーメーションに使っているチームがいまだに多く見受けられ、世界のスタンダードからまだ遅れていると感じてしまいます。


Jリーグとヨーロッパのサッカーを同じ日に見ると一目瞭然なのですが、試合全体のスピード感とサイドにいる選手の数の2点が大きく違います。ACLがないと仮定した場合、純粋な戦力としては、アントラーズ、ガンバ、レッズが3強だと思いますが、この3チーム以下の中堅チームが戦力ではなく、戦術としてこの3チームに打ち勝つような状況が望ましいです。そういった意味で最近は少し落ちてきてしまいましたが、グランパスの快進撃は徹底的にサイドを突いた攻撃スタイルが功を奏しているでしょう。このように、戦術に長けた人物が上位のチームを脅かすようなチーム作りをしていってくれたら面白いなと思います。


本の感想としては、冒頭にも述べたように、この本では4-2-3-1をメインに扱っており、このフォーメーションが現在最強であるように書かれています。しかし、過去を振り返れば分かるように、流行のフォーメーションは常に研究され、それを崩すための新しいフォーメーションによって過去のものとなる可能性があります。そのときに流行っているフォーメーションはどのようなものであるのかの説明があってもよかったなと思います。

4‐2‐3‐1―サッカーを戦術から理解する (光文社新書)

4‐2‐3‐1―サッカーを戦術から理解する (光文社新書)